経理の基礎知識を問われる日商簿記3級は、商業科の学生や社会人などから毎年多くの方が受験している資格です。
この記事では日商簿記3級に独学で合格するためのオススメの勉強方法やテキストを、完全独学で一発合格した実体験を元に説明していきます。
簿記3級の初心者に独学をオススメしている理由については以下を読んでみてください。
独学での勉強時間
日商簿記3級に独学(初心者)で合格するために必要な勉強時間は、100〜150時間とされています。
毎日勉強を継続したとして以下のようなペースで合格を目指せるラインです。
平日1時間・土日3時間 → 2ヶ月
平日2時間・土日6時間 → 1ヶ月
仕事や学校で時間の取りづらい平日でちょっと頑張って2時間、お休みの土日は丸々とまではいかなくとも6時間(半日)。つまり1ヶ月でも合格を狙うことができます。
勉強時間の設定や分配には正解があるわけではありませんが、”何日、何ヶ月で合格する”と言う目標設定は重要です。
というのも毎日どれくらい勉強すれば良いか分かりやすい指標を作っておくことで、日々の継続に一役買ってくれるためです。
決して学習ボリュームが小さいわけではないので、継続的な学習で記憶を定着させることができます。
また、一回あたりの勉強時間は1時間以上がオススメです。
1時間あれば、疑問点に対して考えたり調べたりする時間を設けることがでます。
そして、「考える」「調べる」といったアクションから「理解する」という経験は、記憶の定着に非常に繋がりやすい行動です。
自分の趣味や好きなことについて何か調べたことって覚えようとしていなくても意外と忘れないですよね?
教えてもらった内容よりも、自分から知りに行った情報の方が記憶には残りやすいものです。
これを勉強にも適応するためにも、一回当たりの勉強時間は1時間以上をオススメします。
ちなみに私は短期詰め込みタイプかつ、時間に余裕のある時期での学習でしたので1ヶ月コースで勉強を進めました。
では簿記3級の勉強でオススメのテキスト・問題集、それを使った勉強方法をご紹介します。
オススメのテキスト・問題集
簿記3級の独学では以下のオススメするテキストと問題集をオススメします。
みんなが欲しかった!簿記の教科書 TAC出版
講義を受けているかのように分かりやすい
実際にこのテキストを使って講義した場合の板書イメージを載せてくれています。
ごちゃごちゃした説明はなく、重要ポイントの図解だけがシンプルにまとめられています。シンプルな図解は、「頭で理解する」だけでなく「目で覚える」勉強ができるので記憶の定着も楽々です。
コンパクトなのに網羅的な学習ができる
本書は片手で持って勉強できるくらいコンパクトです。であるにも関わらず内容は分かりやすく、そして簿記3級で必要な内容が敷き詰められています。
スキマ時間に英単語帳を読むかの如く学習することができます。
購入者特典が豊富
購入者は「Web仕訳問題」「模擬試験プログラム」「Web解説」が特典として利用することができます。
どれも学習する上で生まれる小さな問題を解決してくれるサポートアイテムとして活躍してくれます。
特にWeb仕訳問題はかなり実用的です。
簿記は「仕訳」が命と言っても過言ではないので、仕訳問題で練習を重ねることで試験での凡ミスを防ぐことができます。
合格するための本試験問題集 日商簿記3級 TAC出版
実際の試験問題をベースとした問題集
この問題集では過去問ベースの改編した問題を全12回分を解くことができます。
実際の試験と近い形式の問題を解くことで、問題の特徴や解法、出題傾向を理解することできます。
12回も問題を解くと簿記3級への理解がかなり高まり、自分が苦手としているところも見えてくるので効果的です。
テキストとの互換性がある
「みんなが欲しかった!簿記の教科書 TAC出版」と同じ出版のため、テキストで勉強した内容と問題集の解説が同じような解説になっています。
教えてもらう先生とテストの添削、解説をしてくれる先生が同じ、というイメージです。
出版社が違うと問題の解法や説明が微妙に違って分かりにくい、、、なんてことも起こり得ます。
ですが同じ出版社同士のテキストと問題集であればそう言ったストレスは無しで学習に集中することができます。
簿記3級の勉強方法
テキストを読み込む
テキストはご紹介した「みんなが欲しかった!簿記の教科書 TAC出版」を一冊だけでも十分です。試験で出てくる内容はこの一冊で網羅されています。
初めて聞くような経理用語が大量に出てきますが、一つずつ理解しながら読み進めていきましょう。
一通り学習し終えた後、再度読み返すのをオススメします。
忘れかけていたこと、忘れていたことが思い出されて記憶の定着が図れます。
問題集を解く
テキストで学習して、一通り簿記の基礎を理解した後はひたすら問題集を解きましょう。
実試験ベースの問題集であれば、試験のための効果的な学習ができます。
問題集と全く同じ問題が試験で出るわけではないので、解き方を覚えるよりも理解するようにしましょう。
また、1回目から完璧に解く必要はありません。
分からなければ回答を見ながらやるのも全然アリです。
まずは理解してから2回目、3回目以降の解き直しで正解を目指せるようにしましょう。
やればやるだけ理解は深まります。
私の場合はテキストを2周、問題集を3周して初めての試験に臨みました。
かなり細かいところまで確認したので間違えたのは大問②の1箇所のみでした。
【実際のテスト結果】
試験で確実に点を取る方法
仕訳を完璧にする
簿記3級の試験は3つの大問が出題される形式です。内容は以下の通り。
大問①仕訳問題(45点)
大問②補助簿問題(20点)
大問③決算整理に関する問題(35点)
合格点は70/100点です。
大問①仕訳問題を全問正解するだけで45/70点と、合格点のうち6割以上を取ることができます。
仕訳問題は簿記の基礎の基礎になる部分ですので、ここで6割取れるのはぶっちゃけ破格の点数設定です。
この大問①を制する者が簿記3級を制すると言っても過言ではない、どころか真理まであります。
仕訳問題は全15問(各3点)ありますので全問正解できるように繰り返し練習しておくことが重要です。
また大問③についても複数の仕訳を行い、その結果を精算表等に記入していく形式です。
ですので本質的には仕訳が正しく行えるかというところが問われている問題になります。
仕訳を完璧に行えるだけで、大問①と大問③の80点を手にすることができます。
電卓での計算をミスなく確実に行う
試験では7桁や8桁の大きな桁数の数字を扱うことになります。
暗算どころか電卓を使ったとしても計算ミスが発生して何らおかしくはありません。
実際勉強を初めてみると分かりますが、始めのうちはめっちゃ計算ミスしますw
当然ながら数字が一桁違うだけで不正解になるので慎重に計算するようにしましょう。
結局は慣れの部分でもあるので学習の段階で計算ミスしないよう、常に意識するだけで効果的です○
まとめ
日商簿記3級に完全独学で一発合格した実体験を元に、オススメのテキスト・問題集や勉強方法を紹介していきました。
簿記試験では仕訳(基礎的なお金の動きの記録)を間違えないこと、計算ミスをしないことがとても重要です。
これは繰り返しの学習で身についていくものです。
何度もテキスト、問題集を反復して間違えないようにして試験に臨むようにしましょう。
ここを徹底すれば簿記3級は1ヶ月の勉強時間で十分に合格を狙うことができます。
学習形式:完全独学
総勉強時間:約80時間(学習期間:1ヶ月)
テスト結果:95点/100点(合格ライン:70点)